3月12日にロックダウンが開始されたコペンハーゲン。
ドイツとの国境を封鎖、空路でも観光客の入国が停止され
保育園〜大学、オフィスはすべてクローズに。
その後の3月18日には10人以上のヒトが集まることが禁止された。
コペンハーゲンの魅力でもある個性的なスモールビジネスにとっては
非常に厳しい環境の中、素早くクリエイティブなアイデアを実行した
お店がいくつかあったので紹介したい。
コーヒー屋台
19時に発布された「10人以上の集合禁止令」の翌朝から店舗の前でコーヒー屋台をはじめたのは人気のコーヒー店「Prolog」。カフェが軒並み閉店するなか屋外でコーヒーを売るド根性に共感してかあたたかい時間には行列ができている。

入店制限をたのしく演出
「10人以上の集合禁止令」はつまり区画内にスタッフの人数をあわせて10名を超えると違法状態になる。1980年代から続く雑貨店であり今や「観光名所になるコンビニ」となりつつあるKIHOSKHでは客数を5人までとした。ものものしくなりがちな制限事項の貼り紙をたのしい演出に転じたので、なんだかバーゲン・セールのような雰囲気に。入店前に中にいる人数を確認するのが習慣になった。

ビール救急車
「10人以上の会合禁止令」の後はほとんどのクラフトビール店がクローズになったので美味しいビールを買える環境は貴重になった。北欧クラフトビールを代表する存在となったミッケラーは”ビール救急車”で街を巡回してビールを販売。ずっと家にいるとワクワクすることに飢えてくるのでこういうたのしい演出が大切。
スニーカー自転車便
「みんな家にいる」を逆手にとった地元スニーカー店のRezet storeはロックダウン開始から2日後に即日配達の自転車便を開始。エリア限定ではあるものの、街のどこへも自転車で20分程度で移動できる地の利をいかしたサービス。余剰人員を活かせる利点もあり競合店LEFIXも類似サービスを開始した。
デンマークの場合には夜に首相会見で発布された新しいルールが翌朝から適用になり、取締りも行われるため、スピード感をもってユーモラスなアプローチを実現していることには感服するし、たのしい気分にさせてくれた。実際にはほとんどのお店がオンラインセールや送料無料キャンペーンなどで対応していて、それでもなかなか苦しそうな様子。苦しい環境だからこそたのしい演出で、陰鬱な空気をすこしでも吹き飛ばすように動けばお客さんそしてスタッフも、明るい気分になるはずだ。