
どの国にも、「これをやらないと季節が締まらない」という行事がある。
日本なら大晦日のそばとか、お盆の帰省とか。別にやらなくても生きてはいける。でも、やらないと心のカレンダーが更新されない。
デンマークの Sankthansaften も、たぶんそれに近い。
夏至の夜、大きな焚き火を燃やす。昔は魔女人形も燃やしていたらしい。北欧の長い冬を思えば、闇に対する感情もそれなりに深いのだろう。
昨日のフレデリクスベア公園には、2万人が集まった。
みんな夕食後、7時、8時くらいからぞろぞろ集まる。もちろん自転車で。
9時半、点火。
みんなで歌って、火を見て、酒を飲む。
そして火が点いて5分後には、さっと帰る。
このあっさり感がいい。祭りなのに、粘らない。感動を過剰に回収しない。火がついた。見た。夏だ。帰ろ。
北欧の夏は短い。
数週間後には、しまったばかりの上着を探している。
だからこそ、焚き火を見ないと始まらない。
たぶん彼らは、夏の始まりを祝っているというより、夏がすぐ終わることを知っているから
この祭りを愛してやまないのだ。

